大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)717 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人水野久上告趣意第一点同第二点について。

しかし原判決挙示の証拠である被告人の原審に於ける供述によれば被告人は判示

事実すなわち第一審判決摘示と同趣旨の判示事実はその通り相違ない旨の供述をし

ているのみならず更らに共犯者Aが被害者の妻を脅しながら奥の部屋に連れて行き

Bも部屋え上がつて行つて被告人にも上がつて来いと言つたから被告人も上え上が

つて行くと奥の部屋には他の家人が居つたのでAはこの家人を縛した、被告人はこ

れを見ていながら机の上の毛糸三ポンド半と財布に入れてあつた現金を取つてこれ

を持つて表へ出た。Aが這入つて来て家人を脅した時に始めて強盗をするのだとい

うことを知つたのである旨を被告人が述べていることは明らかである。さすれば、

原判決が被告人の原審における供述と判示被害者の始末書の記載とを綜合して被告

人はB某外一名と共謀の上強盗したと判示したのは正当であつて所論第一点主張の

ごとき審理不尽又は証拠理由不備の違法はない。

次にかように被告人の所為は強盗の罪を構成するものであるから原判決がこれに

対して強盗罪の規定を適用したからといつて何等擬律錯誤の違法はない。それ故論

旨第二点も理由がない。

同第三点について。

しかし原判決が被告人に強盗の意思を認定したことが違法でないことは既に説明

したとおりである。仮に原判決のした右認定が誤つていたとしても、それだからと

いつて、原判決が憲法第三七条第一項の規定に反するものとはいえない。蓋し同項

にいわゆる公平な裁判所の裁判とは偏頗や不公平のおそれのない組織と構成をもつ

た裁判所による裁判という意味であつて必ずしも個々の事件につきその内容実質が

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具体的に公正妥当である裁判を意味するものでないからである。(昭和二二年(れ)

第四八号同二三年五月二六日言渡大法廷判決参照)

論旨は理由がない。

よつて刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二三年一一月一一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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